除雪にユンボは使える? ホイールローダーとの違い・必要な資格・注意点

冬の豪雪地帯や突然の大雪において、敷地や駐車場の雪かきにユンボを活用できるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
本記事ではユンボを使った除雪のメリットやホイールローダーとの違い、必要な資格や安全な操作手順をわかりやすく解説します。
ユンボは除雪に使える?重機を活用した雪処理の特徴
地面の掘削や整地で使われるユンボ(ショベルカー)は、雪をすくい上げて移動させる除雪作業でも非常に高い能力を発揮します。頑丈なアームと油圧の力により、人力のスコップや小型除雪機では歯が立たない重く固まった圧雪も力強く崩せます。
旋回機能を活かせば、狭い通路や障害物が多い敷地でも車体を大きく移動させずに雪を効率的に処理できます。さらにアームを高く伸ばすことで、限られた雪捨て場へ高く雪を積み上げる作業もスムーズに行えます。
- 固まった圧雪や氷の破砕
- 車体を動かさない360度旋回
- ダンプへの高い積み込み能力
一般的な除雪機では処理しきれない大雪に見舞われた際にも、ユンボがあれば迅速に作業を進められます。敷地の広さや雪の性質に合わせて適切な重機を選ぶことが、冬の雪対策を成功させる最大の鍵となります。
除雪重機におけるユンボとホイールローダーの違い
除雪現場で活躍する代表的な重機には、ユンボ(バックホー)とホイールローダー(タイヤショベル)の2種類が存在します。作業場所の広さや目的によって適した重機が大きく異なるため、それぞれの特性を把握する必要があります。
両者の構造的な違いを知っておくと、現場に最適な機械を迷わず選定できるようになります。作業効率や安全性を大きく左右する主な相違点を一覧表で比較してみましょう。
| 比較項目 | ユンボ | ホイールローダー |
|---|---|---|
| 足回り | クローラー(履帯) | タイヤ(車輪) |
| 得意な作業 | 雪の掘削・高く積む | 雪の押し出し・運搬 |
| 適した場所 | 狭小地・障害物周辺 | 広い敷地・直線道路 |
| 移動速度 | 低速(公道走行不可) | 高速(自走移動可能) |
住宅の敷地や月極駐車場、建物まわりのように狭く障害物が多い場所や、雪を高く積む・ダンプへ積み込む作業が中心ならユンボが向いています。
商業施設の広い駐車場や工場の敷地、長い直線通路など、広範囲の雪を押し出して運ぶ作業が中心ならホイールローダーを選ぶのが目安です。
それぞれの強みを理解して使い分けることで、除雪にかかる時間や作業負担を大幅に削減できます。次項からはユンボとホイールローダーの具体的な得意分野について詳しく掘り下げていきます。
狭小地や排雪・積み込み作業が得意なユンボ
ユンボの最大の強みは、車体を前後に走らせることなくその場で旋回できる小回り性能にあります。壁際やフェンスの近く、住宅が密集する通路などの狭小地でも周囲に配慮しながら安全に作業を進められます。

また長いアームを活用すれば、高く盛り上がった雪山をさらに高い位置へ積み上げることが可能です。排雪用のダンプトラックの荷台へ雪をすくって積み込む作業においても、ユンボは抜群の使いやすさを誇ります。
広大な敷地をスピーディーに押し出すホイールローダー
ホイールローダーは四輪駆動のタイヤで走行し、広い敷地に積もった雪をスピーディーに前方に押し出す作業を得意としています。商業施設の広大な駐車場や工場の敷地、直線の長い道路などでは圧倒的な作業スピードを発揮します。

前方の大型バケットで一度に大量の雪を抱え込み、離れた集雪場所までそのまま運搬できます。移動速度が速く広範囲を一気に除雪したい場面では、ホイールローダーの導入が最も効果的です。
ホイールローダーは基本的に四輪駆動で雪道でも安定して走行でき、車体の前後が中央で折れ曲がる中折れ(アーティキュレート)構造によって小回りも利きます。さらにタイヤ式のためナンバーを取得すれば公道の除雪にも使える一方、クローラー式のユンボは原則として公道を自走できません。
ユンボ以外にも知っておきたい除雪重機の種類と使い分け
道路や地域の除雪では、ユンボやホイールローダー以外にも役割の異なる専用の除雪重機が活躍しています。場所や積雪の状況に合わせて、これらの機械を組み合わせて使うのが一般的です。
| 重機 | 主な役割 | 得意な場所 |
|---|---|---|
| ロータリー除雪車 | 雪を砕いて遠くへ飛ばす | 豪雪の幹線道路・歩道 |
| 除雪グレーダー | 圧雪や氷を削り平らにする | 幹線道路・高速道路 |
| 除雪ブルドーザー | 排土板で深雪を押し出す | 山間部・林道・スキー場 |
| 除雪トラック | 走りながら広い道を除雪 | 幅の広い長距離の道路 |
ロータリー除雪車は大型が山間部や幹線道路の排雪に、小型が歩道や住宅街の狭い道に使われるなど、これらの多くは自治体や道路管理者が公道や広域の除雪に用いる機械です。
またブルドーザーのようなクローラー式は走行が遅く、原則として公道を走行できないため一般道路の除雪には向きません。
一方で私有地や駐車場の除雪であれば、手配しやすいユンボやホイールローダーが現実的な選択肢となります。次の見出しでは、ユンボの除雪で使うバケットと排土板を紹介します。
ユンボの除雪で使うバケットと排土板
ユンボは、専用の除雪用アタッチメントがなくても除雪ができます。使うのは、アームの先のバケットと、車体の足元にある排土板(ブレード)です。バケットで雪を崩してすくい、排土板で雪を押し出す、という2つの作業を1台でこなせます。
KenkiGoで借りられるバケットのうち、除雪に向くのは「標準のバケット(平爪)」と「法面バケット」の2つです。
標準のバケット(平爪)
平爪は、バケットの爪の先が平らな形です。とがった爪に比べて路面を引っかきにくいのが特長です。固まった雪や氷を崩す作業や、ダンプへの積み込みにはこのバケットで十分です。

法面バケット(幅が広く、爪のないバケット)
法面バケットは、本来は斜面(法面)を平らに仕上げるためのバケットです。幅が広く、刃先がまっすぐで爪がありません。そのため、やわらかい雪を一度に広くすくえます。舗装の上に薄く残った雪を集める仕上げにも向いています。

排土板(ブレード)
排土板は、ユンボの車体の片側に付いている板です。本来は地面を平らにならすためのものですが、雪を押す作業にも使えます。排土板を下ろして前に進むと、ブルドーザーのように雪を押し出せます。
バケットで雪山を崩し、崩した雪を排土板で寄せる、という流れで作業すると効率よく進みます。路面に薄く残った雪を集める仕上げにも使えます。
なお、広い敷地で大量の雪を運びたい場合は、大きなバケットを持つホイールローダーの方が向いています。
ユンボで除雪を行うために必要な免許と資格
仕事としてユンボで除雪する場合は、機械の重さ(機体重量)に応じた資格が必要です。
3トン以上なら技能講習、3トン未満なら特別教育を修了していなければなりません。公道を走る場合は、これとは別に運転免許が必要です。
| 場面 | 機械の重さ | 必要なもの | 根拠となる法令 |
|---|---|---|---|
| 敷地内での作業(仕事として) | 3トン以上 | 車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習 | 労働安全衛生法 第61条、同法施行令 第20条第12号 |
| 敷地内での作業(仕事として) | 3トン未満 | 小型車両系建設機械の特別教育 | 労働安全衛生法 第59条、労働安全衛生規則 第36条第9号 |
| 公道の走行 | ― | 運転免許(ホイールローダーなど) | 道路交通法 |
この資格は、除雪だけを冬の間だけ行う場合でも同じです。北海道労働局は、建設機械を借りて除雪するだけでも、作業として行うなら運転期間にかかわらず資格が必要だと説明しています。(出典:北海道労働局『除雪作業でも労働安全衛生法で定める運転資格が必要です』)
ユンボとホイールローダーは同じ区分のため、1つの資格で両方を操作できます。機械の重さは、運転席から見やすい場所にある銘板(機体重量の表示)で確認できます。
個人が自宅の敷地で使う場合の考え方や、技能講習と特別教育の違いは、次の記事で詳しく解説しています。
ユンボで安全かつ効率的に除雪する作業のポイント
雪道や凍結路面でのユンボ操作は、通常の土木現場での土砂作業とは異なる特有のリスクを伴います。雪で見えなくなった地面の状況やスリップの危険を常に予測しながら運転することが肝要です。
安全かつスムーズに作業を完遂するためには、機体操作と周囲環境の事前チェックが欠かせません。トラブルを未然に防ぐための実践的なポイントを2つの視点から整理して解説します。
舗装路面や構造物を傷つけないバケット・ブレードの操作法
除雪作業中にバケットのエッジを立てすぎると、アスファルト舗装やインターロッキングを激しく削り取ってしまう原因になります。バケットの底面を地面と平行に保ち数センチほど浮かせて操作することが路面保護の基本原則です。
また雪の下に埋もれたマンホールの段差や縁石、グレーチングにブレードを引っ掛けると大きな破損事故につながります。積雪前に障害物の位置を確認して目印のポールを立てておく対策が非常に効果的です。
凍結によるスリップや転倒を防ぐ走行の注意点
ユンボの足回りにはゴムクローラーと鉄クローラーがありますが、ゴムクローラーは圧雪や凍結路面において横滑りしやすい特性を持っています。凍った傾斜地での作業は避け、なるべく平らな場所で作業しましょう。
走行時は急な旋回(スピンターン)を避け、できる限り直進と緩やかな方向転換を心がける必要があります。重心を下げるためにアームとバケットは常に低く保った状態で移動することが転倒防止につながります。
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本格的な降雪シーズンの直前は除雪に使う重機の需要が集中し、レンタルの在庫が埋まりやすくなります。秋のうちなど早めに予約しておくと、必要な時期に確実に重機を確保しやすくなります。
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